外国人を日本で受け入れる場合、避けて通れないのが「入国・在留関係の手続」です。

外国人が日本に滞在するためには、在留資格(ビザ)に応じた様々な手続が必要となり、これを誤ると、

  • 不許可
  • 在留資格取消し
  • 不法就労
  • 企業側の法令違反

など重大な問題につながる可能性があります。

また、手続は「呼び寄せ時」だけで終わるものではなく、

  • 在留中の管理
  • 更新
  • 転職
  • 退職
  • 帰国

まで継続して発生します。

本記事では、外国人受入れの流れに沿って、入国・在留関係の主要な手続と注意点をわかりやすく解説します。

入国・在留関係の手続は誰に依頼できる?

入国・在留関係の手続がよくわからない場合、次のとおり手続を依頼することができます。

外国人が16歳未満の場合や疾病等で自ら届出ができない場合、同居する配偶者等が届出義務を負います。また、外国人は、同居する16歳以上の親族やそれ以外の者に手続を依頼することができ、依頼を受けた者は代理人になります。

外国人が16歳未満の場合や疾病等で自ら届出ができない場合、同居する配偶者等が届出義務を負いますが、これ以外の場合、外国人は、同居する16歳以上の親族に手続を依頼することができ、依頼を受けた者は代理人になります。①と異なり、同居親族以外の者に届出等の手続の依頼(代理人となってもらうこと)はできませんが、その外国人が経営している機関、雇用されている機関、教育や研修を受けている機関等の職員、弁護士、行政書士、法定代理人などに届出書等の提出等に係る手続を依頼することができます。この依頼を受けて手続をする者は、取次者になります。

法定代理人が代理人となれるほか、外国人は、その外国人が経営している機関、雇用されている機関、教育や研修を受けている機関等の職員、弁護士、行政書士などに申請書等の提出等に係る手続を依頼することができます。その外国人に扶養家族がいる場合には、家族の申請等についても、その外国人(扶養者)が経営している機関、雇用されている機関、教育を受けている機関の職員に申請書等の提出等に係る手続を依頼することができます。これらの依頼を受けて手続をする者は、取次者となります。

本人の扶養家族の手続を除いて③と同じです。本人の扶養家族の手続については、その扶養家族の在留資格が家族滞在又は扶養家族の活動を指定された特定活動である場合に限り、本人(扶養者)が経営している機関か雇用されている機関(教育を受けている機関は入りません。)の職員に申請書等の提出等に係る手続を依頼することができます。この依頼を受けて手続をする者は、取次者になります。

入国・在留関係の申請から処分までは、どの程度時間がかかるか

同じ種類の申請であっても、在留資格や所属機関、在留状況、申請の集中度(例えば、留学生の入学に伴う認定証明書交付申請や留学生の就職による在留資格変更申請は年度末に集中します。)によって処理期間は異なりますが、申請書類に不備がなく(書類等を追加等する必要がなく)、特段の調査や照会等をする必要がない場合、入管が公表している以下の標準処理期間が処分までの目安になります。なお、地方入管局によって申請数の違いが非常に大きいため、申請する地方入管局によっても処理期間に違いがあります。

① 認定証明書交付申請 1か月から3か月
② 在留資格変更申請、在留期間更新申請 2週間から1か月
③ 在留資格取得申請 取得事由が生じた日から60日以内。
④ 永住申請 4か月
⑤ 取得永住申請 在留資格取得申請と同じ。
⑥ 資格外活動許可申請 2週間から2か月
⑦ 就労資格証明書交付申請 当日(勤務先変更の場合は1か月から3か月)
⑧ 再入国許可申請 当日

外国人を受け入れた後に、必要な手続や注意すべきこと

受け入れた外国人は、外交や公用の在留資格の場合、滞在期間が短い場合(短期滞在の在留資格や3月以下の在留期間が決定される場合)などを除いて、中長期在留者として在留することになります。中長期在留者は、在留カードが交付され(入管法19条の3)、住居地届出、住居地の変更届出、在留カードの携帯・提示、紛失等の場合の再交付申請、所属機関等に関する届出等の義務を負うほか、外国人を雇い入れた機関は、その外国人の氏名、在留資格、在留期間等を厚生労働大臣に届け出なければなりません(労働施策総合推進法28条)。在留期間の更新等においては、外国人が在留資格に応じた活動を行っているか、又は違法就労などの素行不良なことのほか、納税義務、社会保険料納付義務、入管法に定める届出義務などの履行状況なども考慮されております。受け入れた外国人がその機関において在留資格に該当する活動を適正に、法令に違反せず、在留の義務を履行して問題なく在留できるよう、適切な配慮や支援を行ってください。

外国人を受け入れた場合、その外国人の入国手続において提出した書類などもに在留資格が決定されているので、当然ながら、内容に即して適法に就労させなければなりません。在留期間の更新等の場合も同じです。申請において提出した書類の記載内容と実際の活動が異なれば、資格外活動になるおそれがあるほか、その受入れ機関がその後入管に提出する書類が信用されなくなります。

外国人の在留が認められなくなるのは、どういう場合か

外国人が日本で行う活動が終了すれば、それ以上の在留は認められませんが、日本で行う活動を継続し、又は別の活動に変更するなどして引き続き在留を希望しても在留が認められなくなる場合は、次のとおりです。

在留期間の更新や在留資格の変更は、それを適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り認められ、その判断に当たって考慮される事項が「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」として公表されています。なお、在留期間の更新又は在留資格の変更申請後に在留期間を超過し、申請が認められない場合でも、出国の意思があり、出国準備のための在留資格への変更が許可されれば、在留期間内に出国すれば、退去強制の対象にならず、上陸拒否期間も生じません。

外国人が、偽りその他不正の手段により上陸許可の証印等を受けたり、在留資格に該当する活動を一定期間行わないで在留したりすると在留資格の取消事由に該当する場合、在留資格が取り消されることがあります。その場合、悪質な事由については直ちに退去強制の対象となりますが、それ以外は出国期間が指定され、その期間内に出国すれば、退去強制の対象にならず、上陸拒否期間も生じません。

不法入国、不法残留、資格外活動、刑罰法令違反などの退去強制事由に該当する場合、退去強制(一定の要件に該当する場合、出国命令。)となることがあります。その場合、出国命令は原則1年、退去強制は5年(出国命令又は退去強制歴のある者については10年)、上陸拒否の対象となり、1年以上の懲役刑や禁錮刑を受けた者などは、無期限に上陸拒否事由に該当することになります。

外国人の受入れを終了する場合に、必要な手続や注意すべきこと

受入れ機関は、雇用する外国人が離職した場合には、その者の氏名、在留資格、在留期間等について厚生労働大臣に届け出なければなりません(労働施策総合推進法28条)。

また、外国人は、在留資格によって、入管庁長官に対し、日本の公私の所属機関等からの離脱又は契約機関との契約の終了に関する届出が必要になります。

外国人を受け入れる場合、外国人との意思疎通を十分に行い、最後まで良好な関係を維持できるように努めてください。何か問題が生じれば、その後の受入れに影響します。外国人が予定どおりに出国せず所在不明になる例や、在留資格(在留期間)が残っていることを奇貨としてみなし再入国許可により出国し、再入国しようとする例も見られますので(再入国許可、みなし再入国許可による再入国の場合には、在留資格該当性は上陸審査の対象になりませんので、在留資格該当性が失われていても上陸許可を受けることができます。)受入れ終了後に問題が生じることのないよう配慮してください。

まとめ

入国・在留関係の手続は、単に「外国人を呼び寄せるための手続」ではありません。

外国人を受け入れる前の在留資格選定から、在留中の管理、更新、転職・退職対応、そして帰国・受入れ終了まで、一連の流れすべてに関わる重要な制度です。

特に近年は、

  • 在留資格と実際の業務内容の一致
  • 適切な労務管理
  • 納税・社会保険の履行
  • 各種届出義務の遵守

などが厳しく審査される傾向にあり、企業側の管理責任も大きくなっています。

また、手続や届出を怠ると、

  • 在留期間更新不許可
  • 在留資格取消し
  • 不法就労
  • 企業側の法令違反

といった重大な問題につながる可能性があります。

外国人雇用を適正に行うためには、在留資格制度を正しく理解し、実際の業務内容や雇用状況に合わせた適切な管理を継続して行うことが非常に重要です。

「どの在留資格が適切かわからない」
「更新や転職時に注意すべき点を知りたい」
「会社として何を管理すればよいかわからない」

このようなお悩みがある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

在留資格の手続きは、状況によって必要な対応が大きく変わります。
「自分の場合はどうなるのか」と迷ったときは、専門家に確認することが大切です。

入管業務に関するご相談は、ホームページのお問い合わせフォームから受け付けています

清水純樹国際行政書士事務所