外国人を採用する際、
「技術・人文知識・国際業務(技人国)」と「特定技能」のどちらを選ぶべきか迷われるケースは少なくありません。
名前は似ていますが、
この2つの在留資格は目的も考え方も大きく異なります。
この記事では、
両者の違いを行政書士の視点で、実務的にわかりやすく解説します。
技術・人文知識・国際業務とは
技術・人文知識・国際業務は、
専門的な知識や能力を活かして働くための在留資格です。
主な対象業務は次のとおりです。
ITエンジニア
経理・財務
法務・人事
営業(企画・マーケティング要素を含むもの)
翻訳・通訳
デザイナー など
学歴や職歴と業務内容の関連性が重視され、
単純作業や現場労働は原則として認められません。
※ 技術・人文知識・国際業務(技人国)そのものの要件や、
できる仕事・できない仕事、転職時の注意点については、
以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 技術・人文知識・国際業務とは?行政書士がわかりやすく解説
特定技能とは
特定技能は、
人手不足分野で即戦力として働くための在留資格です。
対象分野は法律で決められており、次のような分野があります。
- 介護
- ビルクリーニング
- 工業製品製造業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 自動車運送業
- 鉄道
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 林業
- 木材産業
特定技能ビザの主な取得要件は以下の通りです。
- 技能試験に合格していること
- 日本語能力試験(N4程度)または技能試験内の日本語評価に合格
さらに、特定技能1号の場合は、所属機関(特定技能外国人が働く会社)または登録支援機関による支援の対象となる必要があります。
わかりやすく言うと、会社で住居など生活面の面倒を見る必要があり、それができない場合は、登録支援機関という特定技能外国人のサポートをする機関に支援を委託する必要があります。
技人国と特定技能の主な違い【比較】
技人国と特定技能の違いを以下の表にまとめました。
| 項目 | 技術・人文知識・国際業務 | 特定技能 |
|---|
| 在留資格の目的 | 専門的知識・能力を活かして働く | 人手不足分野で即戦力として働く |
| 主な業務内容 | 企画・設計・分析・管理・通訳・IT等 | 現場作業・実務(介護、外食、建設など) |
| 単純作業 | 原則不可 | 可能(分野内業務) |
| 学歴要件 | 大学卒 or 専門学校卒+関連性 | 学歴要件なし |
| 試験 | 原則なし | 技能試験・日本語試験あり |
| 日本語能力 | 業務に必要なレベル | 分野ごとに基準あり |
| 雇用形態 | 正社員・契約社員が中心 | 原則フルタイム雇用 |
| 転職 | 同一専門分野内なら可能 | 同一分野内なら可能 |
| 対象業種 | 業種制限なし(業務内容で判断) | 法律で定められた特定分野のみ |
| 家族帯同 | 可能(家族滞在) | 原則不可(1号) |
| 在留期間 | 3月・1年・3年・5年(更新可) | 特定技能1号:最長5年まで (2号は更新制限なし) |
| 永住申請への道 | 条件を満たせば可能 | 1号は不可、2号は可能 |
| 将来性 | 長期雇用・キャリア形成向き | 現場人材確保向き |
どちらを選ぶべきか?判断のポイント
次のように考えると整理しやすくなります。
技人国は、IT、設計、海外取引など、高度な知識・スキルが必要な業務に適しています。ホワイトカラー職種の外国人を雇いたい場合には、技人国をおすすめします。
特定技能は介護、外食、建設など、即戦力として働ける人材が対象です。特に、現場作業については技人国ではできません。現場作業員を募集している場合は、特定技能をおすすめします。
「特定技能の仕事を技人国でやらせたい」
「最初は現場、後で専門職に」
こうした考え方は、
在留資格違反につながる可能性があります。
在留資格は“将来の予定”ではなく、“現在の業務内容”で判断されます。
行政書士に相談すべきタイミング
採用前にどの在留資格が適切か判断したい
技人国と特定技能で迷っている
将来的な在留資格変更も視野に入れている
この段階での相談が、
最もリスクが低く、スムーズです。
まとめ
技術・人文知識・国際業務と特定技能は、
似ているようで目的が全く異なる在留資格です。
「どんな仕事をしてもらうのか」
「どのような人材として育てたいのか」
この2点を明確にしたうえで、
適切な在留資格を選ぶことが重要です。
在留資格の手続きは、状況によって必要な対応が大きく変わります。
「自分の場合はどうなるのか」と迷ったときは、専門家に確認することが大切です。
入管業務に関するご相談は、ホームページのお問い合わせフォームから受け付けています。
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