永住権とは

永住権とは、外国人が在留期間の制限なく滞在国に永住できる権利のことです。

日本においては、在留資格「永住者」を取得することを意味します。

永住者になると、原則として生涯にわたり日本で生活することが可能になります。

※ 在留資格の更新は不要ですが、在留カードの有効期間は7年のため、カードの更新手続きは必要です。

※ 永住権が取り消される主な5つの理由についてはこちら

永住はいつ申請できる?

申請時期に制限はありません。
要件を満たしていれば、いつでも申請可能です。

ただし注意点があります。

永住申請中に現在の在留期限が到来する場合
別途「在留期間更新許可申請」が必要

永住申請と在留期間更新は同時申請可能です。

また、更新申請中に永住が許可された場合、更新申請を取り下げる必要はありません。

永住許可申請と、在留資格変更許可申請や在留資格取得許可申請との違い

永住申請や取得永住申請は、在留資格変更許可申請や在留資格取得申請のうち、変更又は取得しようとする在留資格が永住者の場合の申請ですが、在留資格変更申請又は在留資格取得申請とは、以下の点において違いがあります。

永住については、素行が善良であること(素行善良要件)、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)に加え、その者の永住が日本国の利益に合すると認められる場合(国益要件)に限り許可されます(日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子については素行善良要件と独立生計要件が、難民又は補完的保護対象者の認定者については独立生計要件が、それぞれ不要です。)在留資格の変更や在留資格の取得については、それを適当と認めるに足りる相当の理由があるときに許可されますので、永住許可は要件が格段に厳しくなっており、これに伴い申請にあたっての必要書類も多くなり、申請に対する処理期間も長くなります。

在留資格の変更については、申請後在留期限までに処分が行われない場合、特例期間が発生しますが、永住申請については、特例期間は発生しません。永住申請時に残りの在留期間が少ない場合はもちろん、永住申請後に残りの在留期間が少なくなれば、併せて在留期間更新申請等を行う必要があります。なお、在留資格取得申請については、在留資格のない者の申請ですので、特例期間は生じません。

特例期間とは➡30日を超える在留期間を決定されている外国人が在留資格変更申請又は在留期間更新申請を行った場合、在留期間の満了日までにその申請に対する処分がなされていないときは、その日を経過しても不法残留になりません。その処分が行われる時又は在留期間満了日から2カ月を経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間は、申請時の在留資格をもって日本に在留することができるとされています。

在留資格変更申請や在留資格更新申請については、それぞれ在留期間更新申請や在留資格変更申請に申請内容を変更することを申し出ることができ、申請内容を変更することができますが、永住申請については、申請内容を変更することはできません。なお、在留資格取得申請については、そもそも在留資格のない者の申請ですので、変更可能な申請がありません。

永住権を取得するメリット

通常の在留資格は1年・3年・5年ごとに更新が必要です。

永住者は在留資格の更新が不要となり、退去強制事由に該当しない限り、日本に継続して在留できます

例として、在留資格「技術・人文知識・国際業務」では、業務内容に制限があります。

しかし永住者は、

  • 転職
  • 副業
  • 起業
  • 会社経営

など、職業選択が自由になります。

在留資格「経営・管理」のような資本金・事務所要件も不要になります。

永住者の配偶者は「永住者の配偶者等」へ変更可能となり、就労制限がなくなります。

また、離婚や死別があっても在留が不安定になりにくい点も大きなメリットです。

  • 住宅ローン
  • 事業融資
  • 長期契約

などで有利になることが多いです。

特に住宅ローンは、在留期限のある外国人よりも審査上有利に扱われる傾向があります。

永住ビザの基本要件

法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。

日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。申請人各人がそれぞれこれを満たす必要はなく、世帯全体で満たせば足ります。

※ 生活保護を受給してないこと、現在および将来において自活することが可能と認められることが必要です。

収入だけではなく、預貯金、不動産等の一定の資産も考慮して判断されることになり、その確認期間は、原則として直近5年間となります。

ア 原則として引き続き10年以上日本に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって、引き続き5年以上在留していることを要します。

イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付、入管法に定める届出等)を適正に履行していること。

ウ 現に有している在留資格について、施行規則別表2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。

1.永住許可に関するガイドラインの改定(令和8年2月24日改訂)

(主な改正点)
●在留期間要件の変更
最長の在留期間をもって在留していること」について、これまで「当分の間」の取り扱いとして
在留期間3年でも認められていたのが、5年に引き上げられます。※令和9年3月31日までの猶予期間(経過措置)あり

●上陸許可基準適合性の明確化
現在の在留資格の根拠となる基準省令や告示要件を厳格に満たしていることが、永住許可の判断基準として改めて定義されました。

永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)

エ 公衆衛生上の観点から有害となる恐れがないこと

なお納税の確認期間は、独立生計要件の確認期間と同じく日本人、永住者又は特別永住者の実子又は特別養子については申請時の直近1年間、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は養子については申請時の直近3年間となりますが、年金保険料(国民年金及び厚生年金)と医療保険料(健康保険、国民健康保険及び後期高齢者医療保険)の確認期間は、申請時の直近2年間(日本人、永住者又は特別永住者の実子又は特別養子については申請時の直近1年間)となります。

永住許可に関するガイドライン

条件が緩和されるケース

以下の方は在留年数が短縮されます。

実態を伴った婚姻生活が3年以上継続し、引き続き1年以上日本に在留している者。その実子等で、1年以上日本に継続して在留している者。

定住者の在留資格で5年以上継続して日本に在留している者

※定住者と告示各号についてはこちらの記事へ

👉「定住者とは?取得できる人・できない人を実務目線で解説」

👉定住者告示各号の要点解説

認定後5年以上継続して日本に在留している者

※ 認定難民についてはこちらの記事

外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められるもので、5年以上日本に在留している者

我が国への貢献があると認められる者への永住許可のガイドライン

地域再生計画の区域内に所在する公私の機関において特定活動告示36号(特定研究活動)又は37号(特定情報処理活動)に該当する活動を行い、我が国への貢献があると認められる者で、3年以上継続して日本に在留している者。

高度専門職省令に規定するポイント計算が70点以上で、いずれかの者

ア 高度人材外国人として必要な点数を維持し、3年以上継続して日本に在留している者

イ 永住申請日から3年前の時点で同ポイント計算が70点以上であったことが認められ、3年以上継続して70点以上の点数を有し日本に在留している者

高度専門職省令に規定するポイント計算が80点以上で、次のいずれかの者

ア 高度人材外国人として必要な点数を維持し、1年以上継続して日本に在留している者

イ 永住申請日から1年前の時点で同ポイント計算が80点以上であったことが認められ、1年以上継続して80点以上の点数を有し日本に在留している者

特別高度人材で、次のいずれかの者

ア 特別高度人材として1年以上継続して本邦に在留している者。

イ 1年以上継続して日本に在留しており、永住申請日から1年前の時点で特別高度人材の基準に該当すると認められる者

※高度専門職についてはこちらの記事

家族で永住許可申請をする場合

家族で永住申請を行った場合、全員がそれぞれ引き続き10年以上(うち5年以上は技能実習及び特定技能1号を除く就労資格又は居住資格)在留している等の原則10年在留の原則を満たさなくても、中心となる者がその原則を満たして永住を許可される場合には、その配偶者や子は、「永住者の」配偶者や子として扱われ、それぞれ原則10年在留の特例を満たせば永住許可の対象になります。したがって、配偶者については実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、引き続き1年以上日本に在留している場合、子については1年以上日本に継続して在留している場合、いずれも永住許可を受けることができますが、これらの特例にも該当しない場合には、永住許可を受けることができません。

日本で生まれた子が在留資格を取得するときに、親が永住者である場合

永住者の在留資格を取得するためには、入管法22条の永住許可の要件を満たす必要があります。親が永住者の場合、生まれた子は同22条2項ただし書きの「永住許可を受けている者・・・の子である場合」に該当し、同項1号の素行善良要件と2号の独立生計要件に適合することは要しませんが、その者の永住が日本国の利益に合すると認められること(国益要件)は必要です。なお、このただ書きの適用を受けるためには、両親とも永住者である必要はなく一方の親だけが永住者でも構いません出生前に父が死亡した場合、死亡前の父が永住者であれば対象となります。

日本で生まれた永住者の子の場合、国益要件のうち、一定年数以上の在留歴や最長の在留期間は必要なく、本人の犯罪もありませんが、独立生計要件が世帯単位で判断されるように、国益要件についても家族全体の状況も踏まえて判断されますので、親が公的義務を履行していないなどの状況があれば、親が永住者であっても、その子が必ず永住者の在留資格を取得できるとは限らず、永住者の配偶者等の在留資格を決定されることもあります。

また、取得永住申請は、出生した日から30日以内に申請しなければなりませんので、その期間に申請を行わず、不法残留となって退去強制手続が執られる場合、在留特別許可においては、永住者の在留資格は決定されません。

永住申請で重要な実務ポイント


✔ 転職直後の申請は不利になることがある
✔ 扶養人数が多いと必要年収が上がる
✔ 直近2年の年金・保険は絶対に未納を作らない
✔ 高度人材は給与見込み証明書が必須

永住と帰化の違い

項目永住帰化
国籍変更なし日本国籍取得
在留カード必要不要
再入国手続必要不要
参政権なしあり
強制送還ありなし

永住は「外国籍のまま安定して住む制度」、
帰化は「日本国籍を取得する制度」です。

まとめ

永住権(在留資格「永住者」)は、在留期間の更新が不要となり、就労制限もなくなることで、日本での生活基盤を長期的に安定させることができる在留資格です。転職・副業・起業の自由が認められ、住宅ローン審査などの社会的信用面でも有利に働くことが多く、将来設計の幅が大きく広がります。

もっとも、審査は「形式要件」だけでなく「実質的な生活の安定性」まで見られます。具体的には、

  • 原則10年以上の継続在留(うち5年以上は就労・居住資格)
  • 現在、最長の在留期間を付与されていること
  • 安定した年収(扶養人数に応じた水準)
  • 住民税の適正納付
  • 直近2年間の年金・健康保険の未納がないこと
  • 犯罪歴や重大な交通違反がないこと

といった点が総合判断されます。

実務上は特に、

  • 転職直後の申請は慎重に検討する
  • 扶養家族が増えた直後は収入バランスを確認する
  • 年金・社会保険の「未納」「遅延」を絶対に作らない
  • 長期出国が多い場合は在留実態を整理する

といった事前準備が結果を左右します。

永住は「長く日本にいるから取れる資格」ではなく、
日本社会の一員として、安定・継続的に生活しているかを証明する制度です。

申請前に自身の在留状況・納税状況・収入状況を点検し、リスクを整理したうえで戦略的に進めることが、許可への最短ルートとなります。

在留資格の手続きは、状況によって必要な対応が大きく変わります。
「自分の場合はどうなるのか」と迷ったときは、専門家に確認することが大切です。

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清水純樹国際行政書士事務所