日本で働きたい、暮らしたいと考える外国人の方にとって、在留資格(いわゆるビザ)はとても重要な制度です。
一方で、「ビザと在留資格の違いがよく分からない」「在留カードがあれば何でもできるのでは?」といった誤解も多く見られます。
この記事では、在留資格の基本について、入管業務を扱う行政書士の立場から、できるだけ分かりやすく解説します。
在留資格とは何か
在留資格とは、外国人が日本で行うことができる活動の内容や身分を定めた法的な資格です。
日本に中長期間滞在する外国人は、必ずいずれかの在留資格を持つことになります。
入管法では、日本に在留する外国人は、入管法や他の法律に定めがある場合を除き、「在留資格」をもって在留すると規定しています。これを受けて、入管法の「別表第一」「別表第二」に29の在留資格を定めています。別表第一においてては、技能実習や特定技能の1号、2号などをまとめて1種類の在留資格に分類していますが、これらを別種類であると数えると33の在留資格になります。
このように、日本に入国、在留する外国人は、別表第一または別表第二で定める在留資格から1つを付与され、その在留資格の範囲内の活動が許されることになっています。
なおこの「在留資格」のことを、「ビザ(査証)」(たとえば、就労ビザ、結婚ビザなど)という言葉で説明する人がいますが、「在留資格」と「ビザ(査証)」は全く異なるものです。
※一般的には「ビザ」(外国籍の方にも「visa」あるいは「visa status」)が「在留資格」の意味で用いられていますので、当事務所のホームページの各サイトにおきましては、用語の適格性には欠けますが、お客様にとっての内容のわかり易さを優先して本来の意味とは異なった意味で「ビザ」という表現を使用している箇所がありますのでご了承願います。
ビザ(査証):日本に入国するための推薦状のようなものであり、その人物の所持する旅券(パスポート)が有効で、そ の人物が入国しても差し支えないと示す証書のこと。
在留資格:日本に滞在しつつ、それぞれの資格ごとに法定された活動を行うことを認める日本政府(法務省)の許可
と考えると分かりやすいでしょう。
実務上問題になるのは、ほとんどが「在留資格」の方です。
在留資格がないと日本でできないこと
在留資格がなければ、次のようなことはできません。
日本で働くこと
長期間日本に住むこと
家族を日本に呼び寄せること
また、在留資格があっても、許可された範囲を超える活動はできません。
たとえば、就労が認められていない在留資格で働くと、不法就労になる可能性があります。
在留資格の主な種類
在留資格には多くの種類がありますが、大きく分けると次のように分類されます。
就労系の在留資格
技術・人文知識・国際業務
特定技能
技能
など
主に「仕事の内容」によって判断される在留資格です。
身分・地位に基づく在留資格
日本人の配偶者等
永住者
定住者
これらは、就労内容に制限が少ないのが特徴です。
その他の在留資格
留学
家族滞在
短期滞在
それぞれ目的に応じた制限があります。
※ 各在留資格の詳しい内容については、別の記事で解説していきます。
よくある誤解
実務の中で、特に多い誤解が次のようなものです。
在留カードがあれば、どんな仕事でもできる
転職しても在留資格は自動的に更新できる
在留期限が切れても、すぐに問題にはならない
これらはいずれも誤りで、状況によっては在留資格の取消しや不許可につながることもあります。
生活や仕事に変化があった場合は、注意が必要です。
行政書士に相談したほうがよいケース
次のような場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
転職・退職をした
在留期限が近づいている
家族を日本に呼びたい
過去に不許可になったことがある
在留資格の手続きは、個別事情による判断が非常に重要です。
自己判断で進めると、思わぬ不利益を受けることもあります。
まとめ
在留資格は、日本での活動内容を決める重要なルール
「ビザ」と「在留資格」は意味が異なる
状況が変わったときは特に注意が必要
在留資格について正しく理解することは、日本で安心して生活・就労するための第一歩です。
不安や疑問がある場合は、専門家に相談することでリスクを減らすことができます。
在留資格の手続きは、状況によって必要な対応が大きく変わります。
「自分の場合はどうなるのか」と迷ったときは、専門家に確認することが大切です。
入管業務に関するご相談は、ホームページのお問い合わせフォームから受け付けています。
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