1.「認定難民」ビザとは

いわゆる「認定難民」ビザとは、
定住者告示に定める地位・活動には該当しないものの、人道上の特別な理由により「定住者」として在留が認められる在留資格です。

実務上は、

定住者告示に明文規定はない

しかし

法務大臣により「難民」または「補完的保護対象者」として認定された場合

👉 告示外定住者として「定住者」の在留資格が付与されます。

そのため、「認定難民」ビザは
告示外定住の代表例と位置づけることができます。

※定住者と告示各号についてはこちらの記事へ

👉「定住者とは?取得できる人・できない人を実務目線で解説」

👉定住者告示各号の要点解説

2.「認定難民」ビザの法的根拠


(1)国際条約

難民の地位に関する条約(難民条約)

難民の地位に関する議定書

日本は1982年にこれらを批准しています。

(2)国内法の根拠条文

出入国管理及び難民認定法 第61条の2

この規定に基づき、日本では難民認定制度が整備され、
法務大臣が難民該当性を審査・認定する仕組みが設けられています。

3.「認定難民」ビザはなぜ「告示外定住」なのか

定住者告示は、
あらかじめ想定される典型的な定住者類型を列挙したものです。

しかし、

難民は

  • 出身国事情
  • 迫害の態様
  • 来日経緯

が極めて個別的であり、

一律の類型化が困難

そのため、
👉 定住者告示にはあえて規定されていない
👉 代わりに、法務大臣の裁量による告示外定住として整理されています。

4.「認定難民」ビザの在留資格該当性

「認定難民」ビザの該当性とは、定住者告示に定められていないもの(告示外定住)であり、次の通り認定されたものになります。

法務大臣により難民又は補完的保護対象者として認定されたもの

【告示外定住】

「認定難民」ビザは、上記の通り、法務大臣に難民として認定されないと、ビザの取得はできません。

5.在留期間

「認定難民」ビザの在留期間は、

原則として5年

とされています。

他の定住者と比べても、比較的長期の在留期間が付与される傾向があります。

6.難民認定・補完的保護対象者認定とは

難民条約第1条に基づき、次の理由による迫害のおそれがある者が対象です。

  • 人種
  • 宗教
  • 国籍
  • 特定の社会的集団の構成員であること
  • 政治的意見

これらを理由として迫害を受けるおそれがあり、

国籍国の外におり

その国の保護を受けることができない、又は望まない者

が「難民」とされます。

補完的保護対象者とは、

難民条約上の「5つの理由」には該当しない

しかし

生命・身体に重大な危険が及ぶおそれがある者

を保護するための制度です。

👉 補完的保護対象者の認定を受けると、難民の認定を受けた外国人と同様、「定住者」の在留資格が付与され、定住支援プログラム「条約難民・補完的保護対象者・第三国定住難民への支援について」を受けることが可能になります。

7.「認定難民」ビザは原則許可されるのか

法務大臣により難民または補完的保護対象者として認定された場合、

退去強制事由に該当しない限り

原則として
👉 「定住者(告示外)」が許可されます。

つまり、

難民認定 = 在留資格の自動取得
ではありませんが、

実務上は極めて強い在留根拠となります。

8.難民認定を受けた外国人の主なメリット

通常、永住許可には

  • 素行善良要件
  • 独立生計要件
  • 原則10年以上の日本在留(就労資格は5年以上)

が必要ですが、
難民認定を受けた外国人は、独立生計要件が緩和される場合があります。

また、原則10年在留に関する特例として、認定後5年以上継続して本邦に在留していることで足ります。

難民認定を受けた外国人は
👉 難民旅行証明書の交付を受けることが可能

有効期間内であれば
👉 日本から出国・再入国が可能

難民認定を受けた外国人は、

  • 国民年金
  • 児童扶養手当
  • 福祉手当

などについて、原則として日本国民と同等の取扱いを受けます。

9.難民認定手続の概要


申請できる人

日本に在留している外国人

申請期間

期限の定めなし

申請窓口

住所地または現在地を管轄する
地方出入国在留管理局等

申請方法

原則:本人出頭

例外:

申請者が16歳未満である場合や病気その他の理由により自ら出頭できない場合は、父母、配偶者、子又は親族がその者に代わって申請を行うことができます。

10.仮滞在許可と退去強制手続の停止

仮滞在許可を受けると一時的に退去強制手続が停止され、仮滞在期間の経過等により、当該許可が終了するまでの間は、適法に本邦に滞在することができます。

① 退去強制事由に該当すると疑うに足りる相当の理由がないこと
② 日本入国日から6か月以内に難民申請を行っていること
③ 日本滞在中に迫害の危険が新たに生じた場合、その事実を知ってから6か月以内に難民申請を行っていること
④ 難民条約上の迫害を受けるおそれのある地域から直接日本へ入国していること(トランジットの有無等も個別に判断)
⑤ 入国後、日本国内で一定の犯罪を犯し懲役・禁錮刑を受けていないこと
⑥ 退去強制令書の発付を受けていないこと
⑦ 逃亡するおそれがあると疑うに足りる相当の理由がないこと
(※上記は代表例であり、最終的な判断は個別事情を踏まえて法務大臣が行います)

仮滞在期間は、原則6か月です。

※必要に応じて更新申請を行うことができます。ただし、更新が必ず許可されるわけではなく、難民手続の進展状況、生活状況、逃亡のおそれの有無など総合的に判断されます。

なお、仮滞在許可の判断は、難民認定申請者から提出のあった難民・補完的保護対象者認定申請書等の書類により行いますので、別途、仮滞在許可のための申請は必要ありません。

11.難民不認定でも在留が認められる場合

難民や補完的保護対象者に該当しない場合でも、

人道上の特別な事情

日本での生活実態

が認められる場合には、
👉 在留特別許可がされることがあります。

12.まとめ

「認定難民」ビザは定住者告示にない告示外定住

難民・補完的保護対象者として認定されることが前提

人道性を基礎とした、極めて重要な在留資格

定住性が高く、永住・社会保障への道も開かれている

告示外定住を理解するうえで、
認定難民ビザは必ず押さえるべき代表例といえるでしょう。

在留資格の手続きは、状況によって必要な対応が大きく変わります。
「自分の場合はどうなるのか」と迷ったときは、専門家に確認することが大切です。

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清水純樹国際行政書士事務所