「日本人の配偶者等」とは

在留資格「日本人の配偶者等」は、入管法別表第2に定められた身分系在留資格です。

対象となるのは、次のいずれかの身分を有する外国人です。

  • 日本人の配偶者
  • 日本人の子として出生した者
  • 日本人の特別養子

一般には「結婚ビザ」「配偶者ビザ」と呼ばれますが、正式名称は「日本人の配偶者等」です。

外国人が日本で生活するには、必ず在留資格が必要です。
日本人と結婚しただけでは自動的に在留できるわけではありません。

在留者数の推移(近年の動向)

区分2022年12月2023年12月2024年12月
日本人の配偶者118,656人122,098人124,952人
日本人の子26,337人26,379人25,944人

日本人の配偶者は近年増加傾向にあり、国際結婚の多様化が進んでいます。

この在留資格で申請できる人

「日本人の配偶者等」で呼べる家族

  • 配偶者(夫・妻)
  • 日本人の実子(嫡出子・非嫡出子)
  • 日本人の特別養子

※普通養子は含まれません。

現在婚姻関係中であること

  • 婚約中は不可
  • 内縁関係は不可
  • 離婚・死別後は対象外

両国法で有効な法律婚であること

例えば、日本では18歳以上で婚姻可能でも、
相手国で20歳以上が条件なら、その国の要件も満たしている必要があります。

婚姻に実体があること(最重要)

単なる法律婚では足りません。

入管は次の点を厳しく審査します。

  • 同居しているか
  • 家計が一体か
  • 出会いから結婚までの経緯
  • 写真・通話履歴・メッセージ記録
  • 結婚後の生活状況

「偽装結婚」対策のため、審査は非常に慎重です。

該当するのは、

出生時に父または母が日本国籍を有していた実子

認知された子

出生前に父が死亡し、その時点で日本国籍を有していた場合

重要ポイント

  • 出生地は問わない(海外出生でも可)
  • 普通養子は含まれない
  • 出生後に親が日本国籍を取得しても対象外

家庭裁判所の審判による特別養子縁組のみ該当します。
普通養子は対象外です。

同性婚について

日本民法は同性婚を認めていないので、外国人と日本人との同性婚は法的に有効な婚姻とはされません。よって、日本人と「同性婚」をしている外国人については、たとえ、当該外国人の本国法において同性婚が認められていたとしても、「日本人の配偶者等」の在留資格は付与されません。

人道的観点から、外国人同士の同性婚については、当該外国人当事者の各本国において有効に成立している場合は、本件者に在留資格があれば、その同性配偶者に告示外特定活動としての「特定活動」への在留資格変更を許可するとしています。

「外交」及び「公用」については、同性婚配偶者が、本国において「同一の世帯に属する家族の構成員」として認められていれば、在留資格該当性を肯定され、「外交」又は「公用」の在留資格が付与されます。

日本在住者は必ず変更しなければならない?

いいえ、必須ではありません。

例えば「技術・人文知識・国際業務」で在留中の場合、

  • 現在の仕事を継続するなら変更不要
  • 次回更新時に変更してもよい
  • すぐ変更してもよい

出入国在留管理庁のQ&Aでも明示されています。

ただし、「日本人の配偶者等」に変更すると就労制限がなくなるというメリットがあります。

日本人の配偶者と離婚した場合

日本人の配偶者等の在留資格を持って在留している外国人が日本人の配偶者と離婚した場合、その日から14日以内に身分事項や離婚年月日を入管庁長官に届け出なければなりませんが、直ちに在留資格変更申請を行わなければならないわけではありません。

しかし、正当な理由がなく配偶者としての活動を継続して6カ月以上行うことなく在留していると在留資格の取消対象となりますので(入管法22条の4第7号)、できるだけ早く適正な在留資格への変更申請をしてください。

在留資格の取消は、取消事由に該当した場合には必ず在留資格を取り消すというものではありません。外国人が取消事由に該当したとしても、個々の事情を考慮して、その外国人の在留を引き続き認められるに足りる相当の理由があると判断されれば、在留資格は取り消されません。

(告示外)「離婚定住」ビザとは― 日本人・永住者・特別永住者と離婚後も日本で生活できるケースを解説 ―

就労は自由?

はい、就労制限はありません。

  • 職種制限なし
  • 起業可能
  • アルバイト自由
  • 工場ライン作業なども可能
  • 扶養義務もありません。
在留資格就労制限扶養義務
日本人の配偶者等なしなし
家族滞在原則週28時間以内あり

審査の重要ポイント

申請では「質問書」に、

  • 出会いの経緯
  • 交際状況
  • 結婚に至った経緯

を詳細に記載します。

必要に応じて、

  • 写真
  • 通話履歴
  • LINE・WeChat履歴

なども提出します。

明確な年収基準はありませんが、

  • 課税証明書
  • 納税証明書

を提出します。

税金未納はマイナス評価になります。

同居は非常に重要な判断要素です。

在留審査は書面審査です。

窓口での口頭説明では挽回できません。
提出時にすべてを揃える必要があります。

申請手続きの種類

▶ 在留資格認定証明書交付申請(COE)

日本側(日本人配偶者)が代理申請。

▶ 在留資格変更許可申請

住居地を管轄する出入国在留管理局へ申請。

主な必要書類

  • 申請書
  • 写真
  • 戸籍謄本
  • 外国の婚姻証明書
  • 課税証明書・納税証明書
  • 住民票
  • 身元保証書
  • 質問書
  • 交流資料(写真等)
  • 申請書
  • 戸籍謄本
  • 出生証明書
  • 認知証明書
  • 特別養子証明書(該当時)
  • 生活費資料
  • 身元保証書

在留期間について

在留期間は、

  • 5年
  • 3年
  • 1年
  • 6月

初回は「1年」が多い傾向にあります。

更新手続きを忘れないよう注意が必要です。

まとめ

在留資格「日本人の配偶者等」は、日本人との婚姻関係や親子関係などの身分関係を基礎として認められる在留資格です。

対象となるのは、

  • 日本人の配偶者
  • 日本人の子として出生した者
  • 日本人の特別養子

のいずれかに該当する外国人です。

この在留資格は就労制限がなく、活動の自由度が高いという特徴がありますが、その一方で、入管審査では婚姻の実体や生活基盤の安定性が厳しく確認されます。特に配偶者の場合は、単に婚姻届を提出しているだけでは足りず、実際に夫婦として生活していることや結婚に至る経緯などを具体的な資料で説明することが重要になります。

また、日本人配偶者と離婚した場合には届出義務があり、長期間配偶者としての活動がない場合には在留資格取消の対象となる可能性もあります。そのため、状況が変わった場合には、速やかに適切な在留資格への変更を検討する必要があります。

「日本人の配偶者等」は、日本で家族として生活するための重要な在留資格ですが、真実の家族関係と安定した生活実態があることを前提に認められる制度です。申請の際には、必要書類を十分に準備し、結婚や家族関係の実態を丁寧に説明することが、許可を得るための大切なポイントとなります。

在留資格の手続きは、状況によって必要な対応が大きく変わります。
「自分の場合はどうなるのか」と迷ったときは、専門家に確認することが大切です。

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清水純樹国際行政書士事務所