家族滞在で来日し、日本の学校を卒業した外国人については、
一定の要件を満たす場合、通常の就労ビザではなく

「定住者」

「特定活動」

への在留資格変更が認められる特例があります。

これは、日本で長期間教育を受け、日本社会に定着している点を考慮した運用です。

※定住者と告示各号についてはこちらの記事へ

👉「定住者とは?取得できる人・できない人を実務目線で解説」

👉定住者告示各号の要点解説

1.「定住者」への在留資格変更が認められるケース


対象者(すべて該当が必要)

次の①〜⑥すべてに該当する方が対象です。

① 日本の義務教育を修了していること
(日本の小学校・中学校を卒業していること)

② 日本の高等学校等を卒業または卒業見込みであること
以下を含みます。

高等学校(定時制・通信制含む)

高等専門学校

専修学校高等課程(大学入学資格が認められる課程)

③ 入国後、引き続き「家族滞在」で在留していること
現在「留学」等でも、実質的に家族滞在該当性があれば対象

④ 入国時に18歳未満であること

⑤ 就労先が決定していること(内定含む)
※資格外活動28時間を超える就労が前提

⑥ 住居地の届出等、公的義務を履行していること

定住者➡17歳までに入国+小学校卒業+中学校卒業+高校卒業+就職内定

就労内容に制限がない

転職の自由度が高い

将来の永住申請にも有利

👉 要件を満たすなら、原則「定住者」を第一候補にすべきです。

2.「特定活動」への在留資格変更が認められるケース


対象者(すべて該当が必要)

① 日本の高等学校等を卒業または卒業見込みであること

※高等学校に「編入」している場合
→ 日本語能力試験N2程度の日本語能力が必要

② 扶養者(親)が身元保証人として在留していること

③ 入国後、引き続き「家族滞在」で在留していること
(※実質家族滞在該当性があれば他資格でも可)

④ 入国時に18歳未満であること

⑤ 就労先が決定していること(内定含む)
※資格外活動28時間超の就労が前提

⑥ 住居地の届出等、公的義務を履行していること

特定活動➡17歳までに入国+{高校入学(編入を除く)→卒業 又は高校編入→卒業+日本語能力N2}+就職内定+親(日本在留)の身元保証

義務教育を日本で修了していない

定住者要件の一部を満たさない

定住者ではハードルが高いケース

👉 「定住者が無理な場合の受け皿」的な位置づけです。

3.「定住者」と「特定活動」の違い

項目定住者特定活動
就労制限なし指定された活動のみ
在留の安定性高い
永住への影響有利影響小
更新時比較的安定毎回慎重審査

4.高卒後【教育期間+就労期間】5年で「定住者」へ

これまでも、「家族滞在」の在留資格のまま

  • 大学
  • 短期大学
  • 専門学校

へ進学し、卒業後に

  • 「定住者」
  • 「特定活動」
  • 要件を満たせば「技術・人文知識・国際業務」

などへ在留資格変更を行うケースは存在していました。

しかし、来日時期や在留期間の評価が不明確であったため、
「いつ・どの資格に変更できるのか」が分かりにくい分野でもありました。

高校卒業後に進学し、その後就労が可能な在留資格に変更して在留する者については、
高卒後の「教育を受けた期間+就職後の期間」が通算5年以上となった場合、
「定住者」への在留資格変更を認める

という取扱いが明示されました。

5.「就労資格を経ずに」定住者へ変更できるのか?

例えば、
「家族滞在」で来日
→ 大学4年
→ 大学院2年

この場合、卒業時点ですでに高卒後6年が経過しているが、
特定活動や就労資格を経ずに、直接『定住者』へ変更できるのか?

可能です。

ただし、次の点を満たす必要があります。

「申請人自身に独立生計維持能力が認められること」

これを、

  • 内定通知書
  • 雇用条件通知書
  • 想定年収・勤務内容

などにより立証できれば、
一旦「特定活動」や就労資格を経ることなく、直接「定住者」への変更申請が認められる
とされています。

まとめ

家族滞在で来日し、日本の学校を卒業した外国人は、一定の要件を満たすことで、通常の就労資格(例:技術・人文知識・国際業務)ではなく、**「定住者」または「特定活動」**への在留資格変更が可能ですこれは、日本で長期間教育を受け、日本社会に定着している事情を踏まえた特例的な運用です。

  • 定住者は、義務教育修了+高校卒業等+18歳未満入国+家族滞在の継続+就職内定+公的義務履行などの要件を満たす場合に認められ、就労制限がなく、在留の安定性が高い点が大きなメリットです。要件を満たすなら第一候補となります。
  • 特定活動は、定住者要件を一部満たさない場合の受け皿で、高校卒業等や扶養者の身元保証などが要件です。活動内容に制限があり、在留の安定性は定住者より弱い点に留意が必要です。

さらに重要なのが、高卒後の「教育期間+就労期間」が通算5年以上であれば定住者変更を認めるという明示です。一定の条件(独立生計維持能力の立証)を満たせば、就労資格や特定活動を経ずに直接「定住者」へ変更できる可能性もあります。

在留資格の手続きは、状況によって必要な対応が大きく変わります。
「自分の場合はどうなるのか」と迷ったときは、専門家に確認することが大切です。

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清水純樹国際行政書士事務所